達人ストーリー

女性が笑顔で居られることが世界平和につながる

和田 ゆみこさん(美容の達人)

化粧品販売の「ボウ・ベル・サンテ」石巻販社長の和田さんは、自らがモデルとなり女性の自立を応援しています。毎回の仮装写真も楽しみな「女王様の1日」は、お顔のコリとり、整体、メイク、カラー診断を織り交ぜた石恋きっての名物癒しプログラム。女性が暮らしやすい社会を女性が自らつくっていく。和田さんは、今の復興の石巻にこそ必要だとおっしゃいます。女性が笑顔になることから世界平和へ、和田さんの熱い想いを伺いました。石恋でさらなる自信を手にされたようです。

プロフィール

1992年6月起業しボゥ・ベル・サンテ石巻販社代表となる。石巻市駅前北通りに事務所を構えましたが、震災で全壊したのを機に、現在の中里2丁目に移転。
女性に“心の笑顔とお肌の健康”を提唱。

和田さん率いるチーム女王様、参加者のみなさんとパチリ。

ボウ・ベル・サンテとの出会い

金融機関で働いていたときは、仕事に夢中でした。4年の間にいろんな仕事を任せられて。でも自分の未来を考えたときに、もっとスキルアップしたいと思っていて。このまま年を取るのかなあと思っているときに、結婚と出産の転機が訪れました。そしてそこから3年間の専業主婦のときに、社会と閉ざされてしまって。非常に焦りを感じました。生涯自分でできる仕事をするために、今勉強しなければって。ダンスが好きだったので、エアロビだとかジャズダンスのインストラクターを目指したり、ワープロの資格も取って。スキルアップを模索していました。主人が週に1回早く帰ってきてくれたので、その時に子どもを主人に預けて。

そのうち、父の建設会社が法人になるから手伝ってと言われて。市役所職員だった主人も辞めて、参入しました。仕事に慣れてきたころ、一つの不安が私を襲いました。それは、家族全員がひとつの職場からの収入で生活している事への不安です。 そんなときに、ボウ・ベル・サンテと出会ったんです。ボゥ・ベル・サンテは、女性の物心を自立させる会社なんです。精神的にも、そして経済的にも自立していきましょうって。創業者は1991年の湾岸戦争のときに男の子が3人居て。自分の子どもを戦地に出すような社会を作りたくない、もっと女性に力がなければって。それが、私が求めているものと一致したの。

収入についても自分の働いた分に見合う対価が得られる。自分のやったことにそれだけの見返りがある。それにもし、父の会社がどうかなったときに、収入が全くなくなるのはどうかと思っていました。浮き沈みが多い業界だし。家族全員がそれで食べていたけど、もし何かあったら、私が家族を支えられるだけの力をつけなければって思っていた頃でもあったの。創業者が「ご主人の運転する車の助手席にシートベルトを締めて座らせてもらっている時に、家族を支えられるだけの力をつけるのよ!」とお話されていた事が今も耳から離れません。だからこそ、安心して、自分の生きがいと言える仕事を探すことができました。主人や父に感謝しています。

中里のお城で夜カフェスタート

震災のときは、稲井の実家にたまたま居たの。みんなと逆行して(石巻)駅の裏側まで来た。スタッフが心配になって。スタッフを帰してから、中里の主人の会社まで来て、そこで津波の浸水から逃げ遅れたの。余震がひどかった。近くの駐車場に石葬会館のバスがあって、まだエンジンがかかるから暖を取れると言われそこに行きました。その時点で腰くらいまで水が来ていた。雪が降っていた。3日目に救出していただきましたが、事務所は1週間、水に浸かっていた。車も商品も20年間書きとめておいたお仕事ファイルも全部ダメになった。

あのとき、早くサロンを再開しなきゃと焦っていたの。この部屋は以前、父の会社が会議室として使っていたんだけど、使ってもいいとなって。震災のあった年の4月3日にはOPENのシールを貼りました。でも、ご家族や家を失った人が沢山いらっしゃる中、あの頃みんなお化粧どころではなかった。 だから、気軽に楽しく話せて吐き出せる空間をつくろうって思って。会津の友人から物資の受け入れ先になってくれという話もあって、物資の配布もあったから、みんなが集まりやすかった。いろんなワークショップもして。化粧品を売るだけじゃなくて、気軽に集まってという、夜カフェをスタート。だから、夜カフェは震災がきっかけね。

「女王様の一日」では、スイーツ王子?からの差入れも大好評♡

「たかが化粧、されど化粧」を知った石恋

初めて石恋に参加したのは、昇太(※1)のヨガのプログラムね。第5回から達人として参加して、公民館での説明会で、エステの達人さんが多いと言われから、単にエステやるのはどうかと思って、昇太を見つけて一緒に組むことになった。真紀さん(※1)とは23年。としこさん(※1)も真紀さんの下で20年。真紀さんはボウ・ベル・サンテの1ユーザー。としこさんは真紀さんの高校の後輩。

チーム女王様で、石恋以外でもやっています。登米市にガイドブックを持っていったら、そっちでもやってほしいという声があったり。知らない人から声を掛けられるようになった。それに、箏の繭子ちゃん(※2)みたいに何かやろうとしている人に自分たちから声をかけるようになった。石恋のおかげで、新規のお客さん(顧客)も増えたし、仕事の面でもプラスになってる。石恋に参加することになって、今までとは違う石恋のコミュニティに入れたし。

あと、あのMさん親子との出会いは忘れられない。お化粧をすると、誰かに見てもらいたいという気持ちが働いて、カガミを見て、にっこり笑って歩くようになる。リハビリになるとか、メイクをしたり、お化粧したりすると筋力アップになるというのは聞いていたけれど、それを実感できたのが石恋だった。80代のおばあちゃん、病気もあって。お化粧したときとしないときの変化がすごかった。ファンデーションを付けた瞬間からおしゃべりを始めて、おやつを食べて。綺麗になると心が明るくなるんだって、石恋で知った。介助付きでトイレに行けるようにもなったって。私たちがやってることって大きいんだって思えた。「たかが化粧、されど化粧。」私たちの自信につながった。

それと、石巻って面白い人が多いと思った。自称面白い人。でも、自称だからこそ面白い。寝袋で寝るとか。なんでもいい(笑)。

(※1)チーム女王様のメンバー
(※2)和田さんたちのご紹介で、第7回石恋で箏の演奏会を開催した達人さん。

和田さん曰く「化粧は生き方のツールのひとつ」

家庭を支える、いしのまきを支える、
世界を支える女性

自ら輝いてイキイキと歩いていく女性を作りたい。自家発電のような。与えられるだけでなく、与える方になる。今、復興の時期に一番大事なことだと思う。女性が暮らしやすい社会を女性が自らつくっていく。女性のスキルアップは必要なの。石巻の女性は震災後、特に働く意欲がなくなっている。嫌われたくない、オールマイティにやりたい、そういう人が多い気がする。自分が何をしたいか、将来のビジョンを持ってない人が多い。
石恋の説明会のときにも言ったけれど、石巻の住人である以上、石巻に対して経済力を持たせないと。震災で、旧態依然としたものはふっとんだと思う。だから、今はせっかくのチャンスだと思う。他所から来た人がかき交ぜてくれている。この間に地元の人間がどうするか!物心の自立。経済と精神の自立。石巻と家庭の両方を支える女性を増やす。家庭を支える=いしのまきを支える、世界を支えることに繋がる。石恋を通して、そんなポジティブな私たちの仲間に入る人が増えるといい。与えられる美しさではなく、与える側に。それが循環していく。
女性が笑顔でいれることが世界平和につながるの。奥さんが笑っていると、旦那さんも安心して仕事に打ち込めるし。お母さんが笑顔でいると、子どもも安心する。ボウ・ベル・サンテ=美しく美しくいきいきと。化粧は生き方のツールのひとつなの。笑顔になれるセッティング。本人が自ら笑顔になるために、ここに行く、こういうことをする。女性が好きな事をやっていると、不満もケンカもないし、家庭円満の秘訣かも(笑)。私も自分の生き方を見つけるまでは、ケンカしていたし(笑)。私たちはいい妻だよねえ。でも、もし離婚したら、「ああ、あの奥さんだもんね」って言われるタイプね(笑) 。

第6回石恋「女王様の1日」バージョンアップ より

この達人が行うプログラム

他の達人のストーリーを読む

スマホサイトに戻る